「〇年〇月〇日解約」を登記原因とする根抵当権抹消登記

登記原因証明情報は解約証書

銀行から交付を受けた登記原因証明情報は、「解約証書」となっていて、「〇年〇月〇日、下記根抵当権を解約する」となっていました。
にもかかわらず、いつもの抵当権抹消登記のくせで、「解約も解除も同じだろう」と、
登記の目的 〇番根抵当権抹消
原因・日付 〇年〇月〇日 解除
登記権利者 住所 A
登記義務者 本店 株式会社X銀行
      代表取締役 B
添付情報  登記原因証明情報(解約証書)、登記識別情報、会社法人等番号、委任状
登録免許税 1000円
と、申請してしまいました。

登記所から補正の電話あり

上記の根抵当権は、管轄外の複数の土地に設定されており、甲登記所と乙登記所に同時に申請していました。
甲登記所では、指摘もされず、「〇年〇月〇日解除」で登記がとおってしまったのですが、乙登記所の担当の方からは電話を頂き、
「登記原因は解約ですから、解約で登記しなければなりませんね」と指摘をされました。
「申し訳ございません。うっかりしておりました。」
「私の方で、申請書と委任状の記載を直しておきます。」
「ありがとうございます。お手数をおかけいたします。」
とやりとりして、補正処置の方は登記所の方でやっていただきました。

確かに「契約の解除」と「解約(あらたな契約)」は違いますね

よく考えれば、そのとおりでした。
根抵当権抹消の登記原因として「解約」があること、勉強になりました。

根抵当権抹消登記の実務では元本確定させません

司法書士試験では、根抵当権に付従性を持たせるため、元本を確定させなければ(その登記をしなければ)、弁済によって根抵当権が消滅することはない、ということを叩き込まれますが(それを記述式の答案に表現できなければ決して合格できない)、実務では、わざわざ元本確定させるという法律行為を差し挟むことなく、(実質は残債を債務者に弁済させて)根抵当権設定契約を「解除」したり、「解約」したりして、そのまま抹消登記をしてしまいます。
実務で、元本確定登記に出会うことは、かなり少ないのではないか、と思います。