司法書士(講師)が行政書士試験問題を解く

行政書士試験でもっとも重要で得点を確保すべき「行政法」に挑戦するのは無理?ですが(行政書士でもあるので恥ずかしい)、その他の法令科目を解いてみました。
令和7年度行政書士試験問題です。

憲法、基礎法学は、一般教養問題?

憲法、基礎法学は、法律・判例の知識というより、一般教養・常識に重きを置いた出題のように思います。
その点で、司法書士試験問題よりも解きにくいと感じる方が多いのではないでしょうか?
ただし、直前に、あらためて憲法条文をしっかり見ておくことが大切なのは、司法書士試験も行政書士試験も変わりません(問題5、6)

民法択一式には難問あり!

問題30、32、34が、骨のある難問です。
司法書士試験合格者レベルでも、本番時間内で満点を取れる人は少ないと思います。
そういう意味で、民法を得意にしても、例えば全問正解して得点源にするのは難しいと思います。

商法・会社法もやや細かい!

司法書士試験合格者レベルだと満点近く取れる問題のレベルです。
ただし、(自分の行政書士試験受験勉強時代を振り返っても)通常の行政書士試験の受験準備の範囲においては、ちょっと細かすぎる知識のオンパレードです。
やはり、半分くらいの正解を目指すのが、効率の良い勉強ボリュームになると思います。

民法記述式は良問が多い?

私の行政書士試験受験生時代(平成20年頃合格)は、「背信的悪意者は、民法177条の登記の欠缺を主張できる第三者にはあたらない」ことなどを記述する、ものすごく基本的な良問が多かったように思うのですが、近年は(ネタ切れのせいか、得点調整のためか)、少し細かい、あるいはマイナーな分野の論点が多いと思います。
それでも、令和7年度は、民法をよく勉強して得意な方が得点を取れる良問のように思います。

結論~結局、行政書士試験は行政法重視!~

民法、会社法をよく勉強しても、択一式で高得点を取るのは難しいので、行政法に重点を置いた勉強をして、そこで7割5分~8割の得点を目指すことが王道のように思います。
ただし、民法記述式は、条文をしっかり理解していることが問われますので、問題集などを活用して、「条文の内容の理解と、それを文章で表現できること」をキーワードに、練習を積み重ねることがおすすめです。

1 〇
2 〇
3 〇
4 はっきりとは知りません
5 〇
→ なんとか4と正解できそうです(普通)

1 ✖
2 少し変、多分✖
3 変、✖
4 そのとおり、〇
5 少し変、多分✖
→ なんとか4と正解できそうです(普通)

1 多分〇
2 〇
3 日本語むずかしいですが、多分〇
4 〇
5 職業の秘密に該当するでしょう、✖
→ なんとか5と正解できそうです(普通)

アの「会期」、イの「臨時」から、正解を導けます
エは判断基準にしたらダメと思いますが、いかがでしょうか
→ 5が正解です(普通)

1 ?
2 ✖
3 ?
4 ✖(憲75条)
5 〇(憲74条)
司法書士試験でも、行政書士試験でも、直前にあらためて条文をしっかり確認することが大切ですね。
→ 5が正解です(普通)

1 多分✖
2 多分✖
3 多分✖
4 多分〇
5 多分✖
→ なんとか4と正解できそうです(やや難)

イが明確に〇 → ウとオの判断となります
オが明確に✖です
→ 3イウが正解です(普通)

ア 明確に✖(相続は取引行為でありません)
イ 明確に✖(取引行為はまっとうなものでなければなりません)
ウ 明確に✖(未登録自動車は動産であり、即時取得が成立します)
→ 5エオが正解です(普通)

1 明確に✖
2 ✖(民311条、330条)
3 ✖(民311条、334条)
4 多分✖
5 多分〇
これは難しいです、司法書士受験生も簡単に正解を判断できる人はいないと思います。
→ 5が正解です(難)

1 明確に〇
2 明確に✖(有名判例)
→ 2が正解です(普通)

1 ✖だが難(判例知識要、443条2項は適用されず、Bの弁済が有効となる)
2 〇だが難(事前通知は、全額の求償をするための要件)
3 明確に✖(相殺の絶対効)
4 明確に✖(免除は相対効、Bは全額支払い義務あり)
5 ✖だがやや難(民445条)
これも非常に凝った難問と思います
→ 2が正解です(難)

ア 明確に✖
イ ?
ウ 明確に✖(無利息の方が原則です)
→ エとオの判断となります
オの✖が分かり易いです
→ 3イエが正解です(普通)

1 明確に✖
2 ?(✖だが難:判例)
3 明確に✖
4 ?(〇だが難:判例)
5 多分✖
これも難しいです。2か4の判例を知っている必要があります
→ 4が正解です(難)

1 明確に〇
2 明確に〇
3 明確に✖
→ 3が正解です(易)

これは、直前期に、交互計算(商法529~534条)を確認していたら解けますが、行政書士受験生がそれをするのはなかなか難しいですね。
→ 1が正解です(普通は勉強していないので難)

1 明確に✖
2 明確に✖(発起人には催告があります)
3 ちょっと細かいので、?としましょう
4 明確に✖
5 明確に〇
→ 全部の肢を見る必要はありましたが、5と正解できます(普通)

1 多分〇
2 多分〇
3 多分〇
4 明確に〇
5 明確に✖(推定される、です)
→ ちょっと細かい問題ですが、5が正解です(普通)

1 明確に〇
2 明確に〇
3 明確に〇
4 明確に✖
5 多分〇
→ 4が正解です(普通)

ア 明確に✖
イ 〇(会128条1項ただし書、知らない人が多いのでは?)
ウ 明確に〇
→ 念のためエも確認
エ 多分✖
→ 3イウが正解です(やや難)

夫婦の一方がやった行為なので、相手方としては、それが夫婦の日常家事の範囲内の法律行為であったと信じざるを得ない事情があれば、表見代理の成立を主張できることになります。
「本件契約が、日常家事の範囲内の法律行為であると信じるべき正当な理由がある場合。」(39字)(やや難)

事務管理の条文(697条~702条)の内容が分かっていますか?という問題。これは良い問題だと思います。
「Aは事務管理に基づき、消火活動を継続しなければならず、Bに対して有益費の償還を請求できる。」(44字)(普通)