司法書士試験直前確認3 ~即時取得~
民法192条(即時取得)
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
即時取得の要件
1)動産であること
・未登録の自動車は即時取得の対象(最判昭45.12.4)
2)取引行為であること
・贈与、代物弁済、強制競売等は取引行為
3)取引行為自体は有効であること
・制限行為能力、錯誤、無権代理等で取引行為が取り消された場合、当該行為では即時取得できない
→取消後の売買等の取引行為では即時取得が成立
4)占有を開始すること
・現実の引渡し、簡易の引渡し、指図による占有移転はOK。占有改定はNG(最判昭35.2.11)
5)占有開始時において、平穏、公然、善意、無過失であること
・平穏、公然、善意は、民法186条により推定され、無過失も推定される(判例)
→ 民事訴訟において、悪意・有過失は、即時取得の成立を否定する側が、主張・立証しなければならない
参考過去問
・Aは、Bが所有者Cに無断でBの画廊に展示していた甲絵画を、Bの所有物であると過失なく信じて購入した。この場合において、Bが以後Aのために甲絵画を保管する意思を表示したときは、Aは甲絵画を即時取得する。
→ ✖(4、占有改定ではダメ)
・Aは、Bが所有者Cに無断で占有していた甲自動車を、Bの所有物であると過失なく信じて購入し、現実の引渡しを受けた。この場合において、甲自動車が道路運送車両法による登録を受けた自動車であるときは、Aは甲自動車を即時取得しない。
→ 〇(1、登録を受けた自動車は動産ではない)
・Aの所有する甲動産を保管しているBが、Aから依頼を受けたAの代理人であると偽って甲動産をCに売却し、現実の引渡しをした場合には、Cは、Bが所有者Aの代理人であると信じ、かつ、そう信じるにつき過失がないときであっても、甲動産を即時取得することはできない。
→ 〇(3、無権代理行為による取引では即時取得は成立しない)
・Aの所有する甲動産を保管しているBが、甲動産を自己の所有物であると偽ってCに売却した場合において、代金支払時にCが甲動産の所有者がBであると信じ、かつ、そう信じるにつき過失がないときは、代金支払後、引渡しを受けるまでの間に、所有者がBでないことをCが知ったとしても、Cは、甲動産を即時取得することができる。
→ ✖(5、占有開始時点で善意でなくてはならない)
・A所有のデジタルカメラ甲について、Aから甲を賃借していたCが死亡し、その相続人Bは、その相続によって甲の占有を取得した。この場合において、Bは、Cが甲に関し無権利者であったことについて善意無過失であるときは、甲を即時取得する。
→ ✖(2、相続は取引行為ではない)
・A所有のデジタルカメラ甲について、Aから甲の寄託を受けていたEは、甲をBに売却したが、その際、Bは、Eが甲に関し無権利者であることについて善意無過失であった。この場合において、Bは、その後にEから甲の現実の引渡しを受けた際、Eが甲に関し無権利者であることについて悪意となっていたときは、甲を即時取得しない。
→ 〇(5、占有開始時点で善意でなくてはならない)
・A所有のデジタルカメラ甲について、Aから甲を賃借していたFは、甲をBに売却し、その現実の引渡しをした。この場合において、Bは、Aに対して甲の即時取得を主張するためには、Fが甲に関し無権利者であることについて自己が善意無過失であったことを証明しなければならない。
→ ✖(5、悪意または有過失は、即時取得の成立を否定する側に、立証責任がある)
