改正民法のポイント整理③ 瑕疵ある意思表示等と第三者の保護

行政書士試験受験に向けて民法の勉強を開始した妻が、記憶に苦労しているポイントを整理するために書いた記事です。

例によって、オートマプレミアの記述を整理します。司法書士試験の勉強も、行政書士試験の勉強もノートを作る必要も時間も無いと思いますが、自分の記憶がどうしても曖昧になりがちな項目については、下記のようなメモを作ることは有効だと思います。

A(本人) → B(相手方) ⇒ C(第三者)

例えば、AまたはBの行為によって、A→Bと車を売却した後、Cに当該車を転売した事例を念頭に置きます。

①Aに故意責任がある場合

a)心裡留保(Aが冗談でBに車を売ってしまった)
→ Bが悪意または有過失であればAB間の売買は無効であるが、Cは善意であれば保護される。(車を返却しなくても良い)

b)通謀虚偽表示(AとBで示し合わせて虚偽の売買をした)
→ AB間の売買は無効であるが、Cは善意であれば保護される。

②Aに故意ではない責任がある場合

c)錯誤(Aの勘違いでBに車を売ってしまった)
→ 一定の場合(改正前民法で要素の錯誤の場合)、AB間の売買は取消可能だが、Cは善意無過失であれば保護される。

d)詐欺(Bにだまされて車を売ってしまった)
→ AB間の売買は取消可能だが、Cは善意無過失であれば保護される。

③Aに責任のない場合

e)強迫(Bに脅されて車を売ってしまった)
→ AB間の売買は取消可能。Cは保護されない。(車を返さなければならない)
※取引物が動産のとき、BC間の売買で即時取得が成立する場合はあり、その場合は当該動産はCのものとなります。