認定考査対策 平成15年度(第1回)試験からの要件事実適示の解答例

認定考査対策は過去問演習が全て

平成15年度から合計24回分の過去問がありますが、全ての過去問に目をとおすことができれば、合格点を取ることは容易だと言って良いと思います。
ほとんどの出題が、過去問の繰り返しです。
私のブログでは、令和2年度~令和7年度の過去問の解答例を紹介していますが、今回はそれ以外の平成15年度~令和元年度までの、出題の主力の1つである「要件事実(主要事実)の適示」について、解答例を紹介します。
請求原因の主要事実(原告X)→抗弁の主要事実(被告Y)→再抗弁の主要事実(原告X)は、認定考査の出題レベルではパターン化されており、試験にあたっては過去問そのまま、あるいは類似するパターンを見つけて、答案を作成できるような準備をしましょう。
※本記事の解答例は、現行民法(令和2年改正民法)に適合するように一部表記を修正・整理しています。
※弊ブログ「認定考査の過去問分析 ①要件事実編」の改訂バージョンです

重要ポイント

(1)その請求、抗弁に必要な事実だけを書く
→ 問題文に書いてある事実を全部拾ってはダメ

(2)法律上の評価ではなく、具体的事実を書く(特に、評価根拠事実において)
→ 「過失がある」「背信的である」ではなくて、その評価を基礎づける具体的事実を書く

(3)請求原因・抗弁・再抗弁と否認を区別する
→ これは抗弁なのか、単なる否認なのかを意識する

平成15年度の1

原告Xの請求原因(売買代金請求)
① Xは、〇年〇月〇日、Yに腕時計を60万円で売った。

平成15年度の2

原告Xの請求原因((貸金債務の)保証債務履行請求)
① XとZは、〇年〇月〇日、次の消費貸借契約を結んだ。
  貸金:40万円、弁済期:定めない
② Xは、同日、Zに、①に基づき、40万円を交付した。
③ Yは、〇年〇月〇日 、Xに、①の債務を保証した。
④ ③は書面によりなされた。
⑤ Xは、〇年〇月〇日、Zに、①の貸金の返還を求めた。
⑥ ⑤から相当期間が経過した。

被告Yの抗弁(主たる債務の消滅時効)
1⃣ 〇年〇月〇日 は経過した。
2⃣ Yは、〇年〇月〇日、Xに、時効援用の意思表示をした。

原告Xの再抗弁(時効の完成猶予)
⓵ Xは、〇年〇月〇日、Zに貸金返還の催告をした。
⓶ Xは、〇年〇月〇日(⓵から6月以内)、本件訴えを提起した。

平成16年度

原告Xの請求原因(賃貸借契約の終了に基づく建物明渡請求:期間満了)
① XとYは、〇年〇月〇日、本件建物につき次の賃貸借契約を結んだ。
  賃料:1か月10万円、期間:〇年〇月〇日まで
② Xは、同日、Yに、①に基づき、本件建物を引き渡した。
③ 〇年〇月〇日(期間終了日)は経過した。
④ Xは、〇年〇月〇日(③の6月以上前)、Yに、契約更新をしない旨の通知をした。
⑤ 更新しない旨の通知につき、正当の事由があることの評価根拠事実
・Xは脳梗塞を発症し、息子夫婦と同居することになったが、本件建物部分を使わないと同居は不可能である。

被告Yの抗弁1(正当事由の評価障害事実)
1⃣ 評価障害事実
・Yは、本件建物部分で定食屋を営み、これで生計を立てているので、明渡すと生活が成り立たない。
・Yは、本件建物部分に800万円以上の設備投資をしたが、5年程度しか経過しておらず、設備投資資金を回収できなくなる。

被告Yの抗弁2(建物使用継続による法定更新)
1⃣’ Yは、③の後も、本件建物を継続使用している。

平成17年度

原告Xの請求原因(売買(代理)代金請求、遅延損害賠償請求)
① Xは、〇年〇月〇日、Aに、本件絵画を130万円で売った。
② Aは、①の際、Yのためにすることを示した。
③ Yは、〇年〇月〇日、Aに①の代理権を与えた。
→ 代金請求のためなら、①~③の主張だけで良い
④ ①において、代金支払期日を〇年〇月〇日と定めた。
⑤ Xは、①の日に、Aに、本件絵画を引き渡した。
⑥ ④の日は経過した。
→ 遅延損害金請求のため、④~⑥の主張を要する。

被告Yの抗弁1(代理権消滅)
1⃣ Yは、〇年〇月〇日、③の委任契約を解除した。

被告Yの抗弁2(消滅時効)
1⃣’ 〇年〇月〇日は経過した。
2⃣’ Yは、〇年〇月〇日、Xに、時効援用の意思表示をした。

平成18年度

原告Xの請求原因( 賃貸借契約の終了に基づく建物明渡請求:無断転貸 )
① XとYは、〇年〇月〇日、本件建物について次の賃貸借契約を結んだ。
  賃料:1か月7万円、期間:〇年〇月〇日まで
② Xは、〇年〇月〇日、Yに、①に基づき、本件建物を引き渡した。
③ YとZは、 〇年〇月〇日、本件建物について次の賃貸借契約を結んだ。
  賃料:3万円、期間:定めない
④ Yは、〇年〇月〇日、Zに、③に基づき、本件建物を使用させた。
⑤ Xは、〇年〇月〇日、Yに、①の契約を解除する意思表示をした。

被告Yの抗弁1(承諾があったとの抗弁)
1⃣ Xは、〇年〇月〇日、③の契約を承諾した。

被告Yの抗弁2(非背信性の評価根拠事実)
1⃣’ 非背信性の評価根拠事実
・ZはYの同僚であり、転貸は2階部分のみの間借にすぎない。転貸期間は短期間であり、実際に終了してZはすでに退去している。

原告Xの再抗弁(抗弁2に対し、背信性の評価根拠事実)
⓵’ 背信性の評価根拠事実
・XはYに、もともと、丁寧に扱ってほしい、近隣に迷惑をかけないこと、真に信頼できる人にしか貸さない、と話していた。
・Zは、夜遅くまで大勢で騒いだことが何回もあり、ボールの壁当てもしていたが、Yが注意してやめさせようとした形跡はない。

平成19年度

原告Xの請求原因(所有権に基づく返還請求)
① Xは、〇年〇月〇日(Yが認めている日まで)当時、本件絵画を所有していた。
② Yは、本件絵画を占有している。

被告Yの抗弁1(有権代理で買ったとの抗弁)
1⃣ Yは、〇年〇月〇日、Bから本件絵画を100万円で買った。
2⃣ Bは、1⃣の際、Xのためにすることを示した。
3⃣ Xは、〇年〇月〇日(1⃣に先立つ日)、Bに、1⃣の代理権を与えた。

被告Yの抗弁2(表見代理が成立するとの抗弁)
1⃣’ 1⃣、2⃣に同じ
2⃣’ Yは、1⃣の際、Bに代理権があると信じた。
3⃣’ 2⃣’と信じたことに対し、過失がないことの評価根拠事実
・Xは、平成16年頃にも、ある骨董品の売却をBに依頼したことがある。

被告Yの抗弁3(即時取得が成立するとの抗弁)
1⃣’’ 1⃣、2⃣、3⃣に同じ(取引行為)
2⃣’’ Bは、〇年〇月〇日、Yに本件絵画を引き渡した。(占有の取得)

平成20年度

原告Xの請求原因((貸金債務の)保証債務の履行請求)
① XとZは、〇年〇月〇日、次の金銭消費貸借契約を結んだ。
  元金:60万円、弁済期:〇年〇月〇日、損害金:年1割
→ 保証債務は損害金を含むので、損害金の約定も主張する
② Xは、同日、Zに、①に基づき60万円を交付した。
③ 〇年〇月〇日(弁済期)が経過した。
④ Yは、〇年〇月〇日、Xに、①の債務を保証した。
⑤ ④は書面によってなされた。

被告Yの抗弁1(通謀虚偽表示であるとの抗弁)
1⃣ XとZは、④の契約が事実のように虚偽の表示をした。

被告Yの抗弁2(弁済したとの抗弁)
1⃣’ Zは、〇年〇月〇日、Xに60万円を支払った。
2⃣’ 1⃣’は、①の債務の弁済の充当として交付した。

平成21年度

原告Xの請求原因(所有権に基づく抵当権抹消登記請求)
① Xは、本件建物を所有している。
② 本件建物について、Y名義の抵当権設定登記がある。

被告Yの抗弁(登記を保持する権原があるとの抗弁)
1⃣ XとYは、〇年〇月〇日、次の金銭消費貸借契約を結んだ。
  元金100万円、弁済期〇年〇月〇日
2⃣ Yは、同日、Xに1⃣に基づき、100万円を交付した。
3⃣ XとYは、 1⃣の債務を担保するため、本件建物に抵当権を設定する合意をした。
4⃣ Xは、3⃣の当時、本件建物を所有していた。
5⃣ ②の登記は、3⃣の契約に基づくものである。

原告Xの再抗弁1(弁済により抵当権は消滅したとの再抗弁)
⓵ Xは、〇年〇月〇日、Yに100万円を支払った。
⓶ ⓵は、1⃣の債務の履行としてした。

原告Xの再抗弁2(相殺により抵当権は消滅したとの再抗弁)
⓵’ Xは、〇年〇月〇日、Yにヴァイオリンを120万円で売った。
⓶’ Xは、同日、Yにヴァイオリンを引き渡した。
→ 相殺の抗弁を主張する場合、相殺適状にあることを基礎づける事実を主張するだけではなく、相手側から同時履行の抗弁が出されることを想定して、それを封ずるための必要な事実を先に主張する必要がある。
⓷’ Xは、〇年〇月〇日、Yに、相殺の意思表示をした。

平成22年度

原告Xの請求原因(請負契約に基づく報酬請求、遅延損害金請求を含む)
① XとYは、〇年〇月〇日、次の請負契約を結んだ。
  本件マンションのリフォーム工事、報酬額100万円
② Xは、〇年〇月〇日、①の仕事を完成させた。
③ Xは、〇年〇月〇日、Yに、本件マンションを引き渡した。
→ 遅延損害金請求のため主張を要する。

被告Yの抗弁1(受領権者としての外観を有する者に対する弁済)
1⃣ Yは、〇年〇月〇日、Aに①の報酬100万円を支払った。
2⃣ Aは、1⃣の際、受領権限があると言った。
3⃣ Yは、2⃣を信用した。
4⃣ Yが3⃣に際し、無過失であることの評価根拠事実
・XとAは、かなり親密な様子であり、取引関係もあった。

被告Yの抗弁2(契約不適合による履行の追完請求との同時履行の抗弁)
1⃣’ 浴室の換気が悪くなかなか乾燥しない(契約不適合の具体的事実)
2⃣’ Yは、〇年〇月〇日、1⃣’の履行の追完請求をした。
3⃣’ Yは、1⃣’の履行の追完がされるまで、報酬の支払いを拒絶する。

原告Xの再抗弁1(抗弁1に対して無過失の評価を障害する事実)
⓵ Yが3⃣に際し、過失があることの評価根拠事実
・YとAには、個人的な貸し借りがあった。

再抗弁2(抗弁2に対して注文者の指図によるものとの再抗弁)
⓵’ 1⃣’の契約不適合は、Yがメーカーを指定したことによって起こった。

平成23年度

原告Xの請求原因(賃貸借契約の終了に基づく建物明渡し、賃料請求、損害賠償請求)
① XとYは、〇年〇月〇日、本件建物につき、次の賃貸借契約を結んだ。
  期間:〇年〇月〇日まで、賃料:月15万円、
  特約:2月以上の連続賃料不払いで、無催告解除できる
→ 無催告解除の場合は、その特約の存在を主張する
② Xは、〇年〇月〇日、Yに、①に基づき本件建物を引き渡した
③ 〇年〇月~〇年〇月の各月の末日(賃料支払期日)は経過した。
④ Yは、半年に渡って賃料を支払わない。(無催告解除のための背信性の主張)
⑤ Xは、〇年〇月〇日、Yに、①の契約を解除する意思表示をした。
→ ①~⑤は、建物明渡請求(主たる請求)のためのもの
⑥ 〇年〇月~〇年〇月の各月の末日(契約解除後の日も含めて)は経過した。
⑦ 本件建物の賃料相当額は15万円である。(損害賠償の範囲)
→ ⑥、⑦は、賃料および損害賠償請求(附帯請求)のために主張を要する。

被告Yの抗弁1(免除の抗弁)
1⃣ Xは、〇年〇月〇日、Yの支出した雨漏り修繕費用分の賃料を免除するとの意思表示をした。

被告Yの抗弁2(相殺の抗弁)
1⃣’ Yは、〇年〇月〇日、雨漏り修繕費用で90万円を支出した。
2⃣’ Yは、〇年〇月〇日、Xに、1⃣’の支出と賃料債務とを相殺する意思表示をした。

原告Xの再抗弁1(抗弁2に対し)
⓵’ XとYは、①の契約の際、修繕費用は借主の負担とする合意をした。

平成24年度

原告Xの請求原因(消費貸借契約(債権譲渡あり)に基づく貸金返還請求、利息請求も含む)
① AとYは、〇年〇月〇日、次の消費貸借契約を結んだ。
  元金:100万円、弁済期:3か月後、利息:3か月で2万5000円
→ 利息は約定がなければ請求できない。約定があることを主張する。
② Aは、同日、①に基づきYに100万円を交付した。
③ Aは、〇年〇月〇日、Xに①の債権を98万円で売った。
④ 〇年〇月〇日(弁済期)は到来した。

被告Yの抗弁1(債権譲渡禁止特約があるとの抗弁)
1⃣ YとAは、①の際、債権譲渡を禁止する合意をした。
2⃣ Xは、③の際、1⃣の合意を知っていた。
3⃣ Yは、〇年〇月〇日、YA間の金銭消費貸借契約に基づく貸金返還債務の履行を拒絶する意思表示をした。
→ 譲渡制限特約による履行拒絶の抗弁は権利抗弁なので、履行拒絶の権利主張を要する(民法466条3項)

被告Yの抗弁2(債権譲渡の対抗要件を権利主張する)
1⃣’ AがYに通知し、またはYが承諾するまで、Xを債権者と認めない。

被告Yの抗弁3(代物弁済をしたとの抗弁)
1⃣’’ AとYは、〇年〇月〇日、①の弁済に代えて、壺の所有権を移転する合意をした。
2⃣’’ Yは1⃣’’の当時、壺を所有していた。
3⃣’’ Yは、同日、2⃣’’に基づき、壺をAに引き渡した。

原告Xの再抗弁1(抗弁2に対して)
⓵’ Aは、〇年〇月〇日、Yに、③の債権譲渡を通知した。

原告Xの再抗弁2(抗弁3に対して)
⓵’’ Aは、〇年〇月〇日(代物弁済に先立つ日)、Yに、③の債権譲渡を通知した。

平成25年度

原告Xの請求原因((不法行為損害賠償の)保証契約に基づく保証債務履行請求)
① Xは自動車を所有していた。
② Aは、〇年〇月〇日、①の自動車に自分の自動車をぶつけた。
③ ②がAの過失によることの評価根拠事実
・Aは、道路が狭いのに、注意して運転をせず、➁を発生させた。
④ 修理費用は100万円であった。
⑤ ④の損害はAの②の行為で生じた。
⑥ Yは、〇年〇月〇日、Xに、Aの上記債務を保証した。
⑦ ⑥の契約は書面でおこなった。

被告Yの抗弁1(消滅時効)
1⃣ 〇年〇月〇日は経過した。
2⃣ Yは、〇年〇月〇日、Xに消滅時効を援用する意思表示をした。

被告Yの抗弁2(過失相殺)
1⃣’ Xにも、②の際に、過失があった評価根拠事実
・Xは、道路が狭くて駐車禁止の道路に車を駐車しており、自分の車にぶつけられる事故を予見できた。

再抗弁(抗弁1に対して債務の承認により時効の更新があったとの再抗弁)
⓵ Yは、〇年〇月〇日、債務を承認した。

平成26年度

原告Xの請求原因(売買契約(代理行為)に基づく代金支払い請求)
① Xは、〇年〇月〇日、Aに、彫刻像を50万円で売った。
② Aは、①の際、Yのためにすることを示した。
③ Yは、〇年〇月〇日(①に先立つ日)、Aに、①の代理権を与えた。

被告Yの抗弁1(同時履行の抗弁)
1⃣ Yは、Xが彫刻像を引き渡すまで、代金の支払いを拒絶する。

被告Yの抗弁2(契約を解除したとの抗弁)
1⃣’ ①の契約において、代金は彫刻像を引き渡した後5日以内に支払う合意がある。(代金後払いの約定がある)
2⃣’ Yは、〇年〇月〇日、Xに、彫刻像の引き渡しを催告した。
3⃣’ 2⃣’から相当期間が経過した。
4⃣’ Yは、〇年〇月〇日、Xに、①の契約を解除する意思表示をした。

被告Yの抗弁3(消費貸借契約の貸金債権と相殺するとの抗弁)
1⃣” XとYは、〇年〇月〇日、次の消費貸借契約を結んだ。
   元金:100万円、弁済期日:〇年〇月〇日
2⃣” Yは、同日、1⃣’’に基づき、Xに、100万円を交付した。
3⃣” 〇年〇月〇日(弁済期)は到来した。
4⃣” Yは、〇年〇月〇日、Xに、相殺の意思表示をした。

原告Xの再抗弁1(抗弁1に対して)
⓵ Xは、〇年〇月〇日、Aに、彫刻像を引き渡した。

原告Xの再抗弁2(抗弁2に対して)
⓵’  Xは、〇年〇月〇日、Aに、彫刻像を引き渡した。

再抗弁3(抗弁3に対して代物弁済したとの再抗弁)
⓵” XとYは、〇年〇月〇日、1⃣”の弁済に代えて、掛け軸の所有権を移転する合意をした。
⓶” Xは、⓵”の当時、掛け軸を所有していた。
⓷” Xは、同日、Yに、⓵”に基づき掛け軸を引き渡した。

平成27年度

原告Xの請求原因1(賃貸借契約の終了に基づく建物明渡請求:用法違反)
① XとYは、〇年〇月〇日、甲建物について次の賃貸借契約を結んだ。
  賃料:月5万円、期間:3年間
② ①の契約において、居住用として使用する特約がある。
③ Xは、〇年〇月〇日、Yに、①に基づき甲建物を引き渡した。
④ Yは、甲建物をリフォームし、ペットホテルとして使用した。
⑤ Xは、〇年〇月〇日、Yに、①の契約を解除する意思表示をした。

原告Xの請求原因2 (賃貸借契約の終了に基づく建物明渡請求:賃料不払い)
①’ ①、③と同じ
②’ ①の契約において、前月末日に当月分の賃料を支払う合意がある。
③’ ○年○月~同年〇月までの各末日は経過した。
④’ Xは、〇年〇月〇日、Yに、賃料の支払いを催告した。

⑤’ ④’の催告から相当期間が経過した。
⑥’ Xは、Yに対し、⑤’の相当期間経過後、本件賃貸借契約を解除するとの意思表示をした。 

被告Yの抗弁1(請求原因1に対して承諾があったとの抗弁)
1⃣ Xは、〇年〇月〇日、Yに対し、ペットホテルとして使用することを承諾した。

被告Yの抗弁2(請求原因2に対して、支払いの猶予があったとの抗弁)
1⃣’ Xは、〇年〇月〇日、Yに対し、〇年〇月~同年〇月の賃料の支払いを〇年〇月〇日まで猶予した。

平成28年度

原告Xの請求原因(所有権(相続あり)に基づく抵当権抹消登記請求)
① Aは、〇年〇月〇日(Yが認めている日まで)当時、 甲建物を所有していた。
② Aは、〇年〇月〇日、死亡した。
③ Xは、Aの子である。
④ 甲建物について、Y名義の抵当権設定登記がある。

被告Yの抗弁1(Aは所有権を喪失しているとの抗弁)
1⃣ Aは、〇年〇月〇日、Dに、甲建物を300万円で売った。

被告Yの抗弁2(抵当権設定登記を保持する権原があるとの抗弁)
1⃣’ Yは、〇年〇月〇日、Aに、弁済期を定めず120万円を貸し渡した。
2⃣’ YとAは、1⃣’の債務を担保するため、甲建物に抵当権を設定する合意をした。
3⃣’ Aは、2⃣’の当時、甲建物を所有していた。
4⃣’ ④の登記は、2⃣’の契約に基づく。

原告Xの再抗弁1(抗弁1に対して、売買契約を解除したとの再抗弁)
⓵ Aは、〇年〇月〇日、Dに、甲建物を300万円で売った。
⓶ XとDは、〇年〇月〇日、⓵の契約を合意解除した。
⓷ Xは、⓶の際、Aのためにすることを示した。
⓸ Aは、⓶に先立って、Xに契約解除の代理権を与えた。

原告Xの再抗弁2(抗弁2に対して、弁済したとの再抗弁)
⓵’ Aは、〇年〇月〇日、Yに、1⃣’の債務の履行として30万円を支払った。
⓶’ Aは、〇年〇月〇日、Yに、1⃣’の債務の履行として90万円を支払った。

平成29年度

原告Xの請求原因(所有権(相続あり)に基づく、土地明渡請求)
① Aは、〇年〇月〇日(Yが認めている日まで)当時、 甲土地を所有していた。
② Aは、〇年〇月〇日、死亡した。
③ Xは、Aの子である。
④ Yは、甲土地を占有している。

被告Yの抗弁1(代物弁済によりAは所有権を喪失しているとの抗弁)
1⃣ BとAは、〇年〇月〇日、次の消費貸借契約を結んだ。
  元金:140万円、弁済期:〇年〇月〇日
2⃣ Bは、同日、Aに、1⃣に基づき140万円を交付した。
3⃣ AとBは、〇年〇月〇日、1⃣の弁済に代えて、甲土地の所有権を移転する合意をした。
4⃣ Aは、3⃣の当時、甲土地を所有していた。

被告Yの抗弁2(賃借権があるとの抗弁)
1⃣’ AとBは、〇年〇月〇日、甲土地につき、次の賃貸借契約を結んだ。
   賃料:月2万5000円、期間:定めていない
2⃣’ Aは、同日、Bに、1⃣’に基づき、甲土地を引き渡した。
3⃣’ Bは、〇年〇月〇日、死亡した。
4⃣’ Yは、Bの子である。

原告Xの再抗弁1(抗弁2に対し、無断転貸による解除の再抗弁)
⓵’ BとCは、〇年〇月〇日、甲土地につき次の賃貸借契約を結んだ。
   賃料:月3万円、期間:定めていない
⓶’ Bは、同日、Cに、⓵’に基づき甲土地を引き渡して使用させた。
⓷’ Aは、〇年〇月〇日、Bに、1⃣’の契約を解除する意思表示をした。

※抗弁2に対し、原告Xが「賃貸借契約は満了している」と主張するのは、1⃣’の否認であると考えます。

平成30年度

原告Xの請求原因1(売買契約に基づく土地引渡請求:有権代理)
① Xは、〇年〇月〇日、Zから、甲土地を50万円で買った。
② Zは、①の際、Yのためにすることを示した。
③ Yは、〇年〇月〇日(①に先立つ日)、Zに①の代理権を与えた。

原告Xの請求原因2(売買契約に基づく土地引渡請求:表見代理)
①’ ①、②に同じ。
②’ Xは、①の際、Zが売買の代理権を持つことを信じた。
③’ ②’について過失がないことの評価根拠事実
・Xは、➁’に際し、ZからYの押印のある委任状とYの印鑑証明書の提供を受けた。
④’ Yは、 〇年〇月〇日(①に先立つ日)、Zに、賃貸の代理権を与えた。

原告Xの請求原因3(売買契約に基づく土地引渡請求:無権代理行為の追認)
①” ①、②に同じ。
②” Yは、〇年〇月〇日、Xに、①の契約を認める意思表示をした。

被告Yの抗弁1(請求原因1、3に対し、同時履行の抗弁)
1⃣ Yは、Xが50万円を支払うまでは、甲土地の引き渡しを拒絶する。

被告Yの抗弁2(請求原因2に対し、Xに過失があるとの抗弁)
1⃣’ ②’の際、Xに過失があったことの評価根拠事実
・Xは、委任状の「売買」の箇所には消し跡があり、その字体が明らかに異なるのに放置した。
・Xは、YにZの代理権の有無を容易に確認できたのに、それをしなかった。

原告Xの再抗弁(同時履行の抗弁に対して、一部代金は支払い済み、残金は相殺するとの再抗弁)
⓵ Xは、〇年〇月〇日、Yに対し、25万円を支払った。
⓶ ⓵は、①の代金の一部としてした。
⓷ Xは、〇年〇月〇日、Aに、丙絵画を30万円で売った。
⓸ Xは、同日、Aに、丙絵画を引き渡した。
→ 相殺の抗弁を主張する場合、相殺適状にあることを基礎づける事実を主張するだけではなく、相手側から同時履行の抗弁が出されることを想定して、それを封ずるための必要な事実を先に主張する必要がある。
⓹ Aは、〇年〇月〇日、死亡した。
⓺ Yは、Aの子である。
⓻ Xは、〇年〇月〇日、Yに、相殺の意思表示をした。

令和元年度

原告Xの請求原因(保証契約(売買代金債務について)に基づく保証債務履行請求)
① Xは、〇年〇月〇日、Aに、甲時計を40万円で売った。
② ①の契約では、代金支払期日を〇年〇月〇日とした。
③ ①の契約では、損害金を年1割とした。
④ Xは、〇年〇月〇日、Aに、甲時計を引き渡した。
⑤ 〇年〇月〇日(支払期日)は経過した。
→ 保証債務請求は損害金請求を含むため、②~⑤の主張を要する。代金請求なら①だけで良い。
⑥ Yは、①の日に、Aの債務を保証した。
⑦ ⑥の契約は、書面でした。

被告Yの抗弁1(消滅時効の抗弁)
1⃣ 〇年〇月〇日は経過した。
2⃣ Yは、〇年〇月〇日、Xに、時効を援用する意思表示をした。

被告Yの抗弁2(相殺の抗弁)
1⃣’ BとXは、〇年〇月〇日、次の消費貸借契約を結んだ。
   元金:60万円、弁済期:〇年〇月〇日
2⃣’ Bは、同日、Xに、1⃣’に基づき、60万円を交付した。
3⃣’ 〇年〇月〇日(弁済期)は到来した。
4⃣’ Bは、〇年〇月〇日、Yに、1⃣’の債権を50万円で売った。
5⃣’ Bは、〇年〇月〇日、Xに、4⃣’の事実を通知した。
→ 通常は相手方の再抗弁となるが、相殺の場合は先に主張を要する。
6⃣’ Yは、〇年〇月〇日、Xに、相殺の意思表示をした。

原告Xの再抗弁1(抗弁1に対し、債務の承認による時効の更新があったとの抗弁)
⓵ Aは、〇年〇月〇日、①の債務を承認した。

原告Xの再抗弁2(抗弁2に対し、債権譲渡禁止特約について悪意だったとの抗弁)
⓵’ Xは、1⃣’の契約の際、債権譲渡を禁止する合意をした。
⓶’ Yは、4⃣’の際、債権譲渡禁止特約を知っていた。
③’ Xは、〇年〇月〇日、XB間の金銭消費貸借契約に基づく貸金返還債務の履行を拒絶する意思表示をした。
→  譲渡制限特約による履行拒絶の抗弁は権利抗弁なので、履行拒絶の権利主張を要する(民法466条3項)