旧代表者発行の抹消書類で抵当権を抹消する
先日、抵当権抹消登記のご依頼を受け、抹消書類を受領しました。
抵当権者である銀行の登記情報を確認したところ、数か月前に、抹消書類を発行した代表取締役が退任していました。
登記申請代理権の不消滅
法人の代表者が登記申請を委任した後、その代表権限が消滅しても、委任による登記申請代理権は消滅しません。(不登17条4号)
よって、委任を受けた司法書士が委任状などとともに、当該代表者が代理権を有していたことを確認できる法人の閉鎖登記記録など(多くの場合、会社法人等番号だけでOKです)を提供して、登記申請をすることができます。
(新代表取締役にあらためて抹消書類を発行してもらう必要はないです)
登記オンライン申請例
登記の目的: 〇番抵当権抹消
原因 : 〇年〇月〇日解除
権利者 : (住所)B
義務者 : (本店)株式会社A銀行
代表取締役 D ← 現在の代表取締役を記載
添付情報 : 登記原因証明情報(特例、PDF) ←旧代取Cの解除証書等
登記識別情報
代理権限証明情報(特例) ←旧代取Cの委任状等
会社法人等番号
〇年〇月〇日申請
〇〇地方法務局〇〇支局
代理人 (住所) 〇〇
登録免許税 金1000円
その他の事項 登記義務者の代表者Cの代理権限は消滅している。
代理権限を有していた時期は〇年〇月〇日から〇年〇月〇日である。
申請前に青字の部分の記載が必要なことをネットの記事で確認しました。
参照した実務書には、そのようなことは書いていないので、本当は要らないのではないかと思いましたが念のため記載しました。
登記完了証には、私の登記申請のまま記載されていたので、書いたとしても間違いではないことは確認できました。
まあ、書いても書かなくても、どちらでも登記は通るような気がします。