無効と取消し、第三者の保護
リーガルベイシス民法入門
昨年の特別研修「必読図書」であったリーガルベイシス民法入門を(仕事も少ない)今になって読んでいます。
受験勉強中にはこのような本に手を出す余裕はありませんでしたが、(私が好きなオートマを含め)受験用テキストよりも、読んでいて面白いです。
「無効」と「取消し」の違い
無効 : 誰でも主張することができる。
取消し: 取消し権者が、表意者本人(その代理人、相続人など)に限られている
ことが、大きな相違点の1つです。
表意者の相手方の保護 → 無効と取消しの規定による区別
表意者だけを保護することを目的(表意者だけが取消しできれば良い)
錯誤、詐欺、強迫、制限行為能力の制度 → 取消し可能と規定
相手方も無効主張できた方が合理的
心裡留保(うそ・冗談)、虚偽表示 → 無効と規定
※心裡留保は、相手方が真意でないことを知り、知り得たとき
第三者保護の規定 → 表意者の帰責性により区別
帰責性大
心裡留保、虚偽表示 → 善意の第三者に対抗できない
帰責性小
錯誤、詐欺 → 善意・無過失の第三者に対抗できない
帰責性無
制限行為能力、強迫 → 第三者保護規定なし
※動産の即時取得が例外ですが、別の制度規定です。
意外とシステマティックに(覚えやすく)できています。
※民法改正前は、錯誤は無効で規定されていましたが、もともと原則として表意者本人しか無効主張できないなど、取消し制度に近い無効であったものを、民法改正で上記のように規定しなおしたそうです。