直前期に何をするか(1) ~憲法条文の繰り返し読み~

即答の肢を増やそう!

司法書士試験まで2か月あまりとなってきました。
直前期にやりたいことの1つは、苦手分野の再確認と整理です。
記述式を集中して練習する、会社法の組織再編をもういちど整理してみる、根抵当権にかかわる各登記をいまいちど整理する、などです。
もう一つは、直前期にきちんと復習しておけば、確実に得点できるものをしっかり準備しておくことです。
司法書士試験(特に択一式)は、うんうん考えて正解を絞り出しているうちはダメで、考えなくても即答できる肢がどれだけあるか、で決まるような気がします。
今回は、憲法の条文をベースとした出題です。
直前期(本当に数日前で良い)に、3~4回読んでおけば、即答できる肢が結構出題されています。
「やりさえすれば必ず得点になること」をしっかり準備しておくことが大事だと思います。

実際の出題

令和6年度第3問

ア 最高裁判所の裁判官は、内閣の指名に基づいて、天皇が任命する。
→ ✖ 79条

イ 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、罷免されない。
→ ✖ 78条

オ 裁判所は、政治犯罪、出版に関する犯罪又は憲法第3章で保障する国民の権利が問題となっている事件を除き、裁判官の全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、対審を公開しないで行うことができる。
→ 〇 82条

令和5年度第3問

ア 公金を公の支配に属しない慈善事業に対して支出することは、憲法上禁じられている。
→ 〇 89条

イ 国の収入支出の決算は、全て毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
→ 〇 90条

ウ 内閣は、国会の議決に基づいて設けられた予備費の支出について、事前にも事後にも国会の承諾を得る必要はない。
→ ✖ 87条

令和4年度第3問

ア 国会議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された国会議員は、当該国会議員の属する議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
→ 〇 50条

イ 国会議員は、それぞれ国政に関する調査を行い、これに関して、記録の提出を要求する権限を有する。
→ ✖ 62条

ウ 法律案は先に衆議院に提出しなければならないが、予算は先に参議院に提出することも許される。
→ ✖ 60条

エ 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
→ 〇 64条

令和3年度第3問

イ 衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合には,内閣は,直ちに総辞職をしなければなりません。
→ ✖ 69条

ウ 内閣総理大臣は,国会議員の中から,国会の議決で指名されますが,衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合に,衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び指名の議決がされたときは,衆議院の議決が国会の議決となります。
→ ✖ 67条

エ 内閣総理大臣が国務大臣を任命しますが,国務大臣の過半数は,国会議員の中から選ばれなければなりません。
→ 〇 68条

行政書士試験における憲法の出題

今回のブログを書くにあたって、行政書士試験の過去問も見てみましたが、条文だけで解ける問題の出題がほとんどない!
私が受験生だったころ(平成20年代はじめ)は、結構出題されていました(と記憶しています)。
民法の記事を書いたときにも言いましたが、このあたり、合格点60点(6割)をとる方(合格者)の人数を調整するために、問題の難易度で調整せざるを得ない弊害(?)のように思います。
憲法の問題も、憲法の法律的な考え方を問うよりも、細かい判例知識などの、どちらかというと一般教養・知識を試すような出題になっているように思います。
よって、なかなか対策することが難しくなっています。