隔地者間の契約の発信主義 ~いつの間にか?廃止~
7月6日の日曜日、私も令和7年度司法書士試験問題に取り組みました。
基本4法(民法、会社法・商法、不動産登記法、商業登記法)の択一式のみを解いて、しかも初めから六法などを片手に解いていますので、難易度を正確にいうことは現時点ではできませんが、上記科目の択一式について言えば、ここ数年ではもっとも解きにくい問題が多かったように思います。
解いてみた問題の中で、本試験の難易度の話にはあまり関係ありませんが、私にとっては印象的だったことをお話しします。
午前の部 第5問(民法 意思表示)
ウ 隔地者間の契約は、承諾の通知が申込者に到達したときは、承諾の通知を発した時に遡って成立する。
→ ✖
「条文では、こんなことは言っていないよな」と✖と判断し、確認のため、六法で条文を探しました。
民法526条(隔地者間の契約の成立の時期)令和2年3月31日まで
①隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する。
②(省略)
この条文が見つからない!
この条文は、私の行政書士試験受験生時代、司法書士試験受験生時代、何回も勉強し、何回も出題されたように記憶しています。
だから、この条文がすでになく、現民法では、契約の申込みや承諾の意思表示について「到達主義」で統一されていることをあらためて知ることになりました。
インターネット、メールの時代に、契約者同士の距離が少々遠くても(地球の裏側でも)、意思表示は瞬時に到達しますので、たしかに「発信主義」を残しておく意義はないですね。
令和2年4月からすでに改正施行されているのに、いまになって知りました、という少し恥ずかしい(?)かもしれない話でした。