研修と不登法記述式試験で思ったこと

配属研修中です。(複数案件が並行している中で)、先輩方の書類内容の把握と整理の速さと、短い時間で相当な分量の登記申請手続きを手際よくされているのには、圧倒されるばかりです。

不動産売買決済の場にも度々同行させて頂いていますが、依頼者が実施してほしい所有権移転登記申請を決済日当日に滞りなく行うため、前提登記としての名変登記の必要性を失念しているような失態はとても許されないな、ということも実感しました。(当日までに住民票の写しが名変の登記原因証明情報にできることと、当日に提出頂けることを確認しておく。)
また、売主側の抵当権抹消登記と買主側の抵当権設定登記が同時にある場合が多く、それぞれの委任状と登記原因証明情報(金融機関に発行してもらう)の事前確認も必要です。

そして決済終了後、(抹消側の金融機関は決済に来ないことが多いので)抹消側金融機関に委任状、抵当権解除証明書、登記識別情報を受け取りに出向き、事務所に戻って、申請書と添付書面を作成して、
①所有権登記名義人住所移転
②抵当権抹消
③所有権移転
④抵当権設定
連件のオンライン申請を、ものの1時間くらいで済ませておられます。

不動産売買での所有権移転登記においては、登記義務者の住所変更の有無等、
抵当権抹消登記では、抵当権者の合併等はないか、
住宅ローン借り換えでの抵当権移転登記においては、現抵当権者に合併や商号変更がないか、
根抵当権は元本確定していなくても、登記原因が「解除」ならそのまま抹消登記できるな、
などと、通常業務として、各案件とも毎回確認していきます。

以上のように、司法書士試験の記述式試験問題(不登法)は、登記申請業務の日常に非常に近い内容の論点で構成されているように思いました。
(受験生にあの短時間であの分量をやらせるのか!という、時間と分量が適切かという問題には、毎回苦しみましたが)
そして、名変抜かしなどの枠ずれに、おそらく厳しい採点をしている理由も分かる気がします。

苦しんだ不登法記述式試験対策の勉強は、実務においてもそのまま違和感もなく役立ちます。
まだ、不動産登記中心に業務をしていくかどうかは決めていませんが、司法書士の基本業務として、どんどん経験を積んでいきたいと思っています。