認定考査に受かりました

認定されたことを法務省HPで確認しました。
点数も通知請求をすれば教えてもらえますが、どうしようか迷っています。
今後、簡裁訴訟代理業務をするかどうかは決めていませんが、特別研修と認定考査のための準備をすることで、次の良い点があると思いますので、将来の業務の予定に関わらず、新人司法書士の方には、やはり、特別研修の受講をおすすめします。

良かったこと

①具体的な事例に即して、より深い視点で、民法や民事訴訟法を学べる。
(原告側)主要事実1、2、3 → 法律効果(被告への請求の趣旨)
(被告側)主要事実を否認 → 原告側が主要事実を立証できるか否か → 判決
(被告側)主要事実を認めるが、抗弁1、2を提出 → 原告側が抗弁を否認 → 被告側が抗弁を立証できるか否か → 判決
というような仕組みを勉強していくのですが、売買契約、金銭消費貸借契約、建物賃貸借契約など身近な契約で、何が主要事実で、どのような法律効果が生じ、相手方の抗弁にはどのようなものがあるかという視点は、具体的な法律相談や契約書チェック・作成などの実務においても、役立ちます。

②特別研修同期(試験合格同期とかぶらない人も多い)と交流できる。
令和3年夏はちょうどコロナ禍真っただ中で、飲み会交流は難しかったですが、集合方式での研修は、久々で楽しくお話しができました。
司法書士(特に独立する人)は、今後もより多くの人と会うことが仕事のようなところもあるので、本当に良い機会になると思います。

認定考査の準備

開業間もなく(仕事もあまりなく)、通常業務時間内に毎日2時間くらいの勉強時間がとれました。(2時間×25日くらい)
特別研修での必読図書「新問題研究 要件事実」を3回通読し、あとは、参考図書「要件事実の考え方と実務」などを部分的に参照しながら、過去20回の過去問をしっかりやることで十分だと思います。(時効や契約不適合責任などは法律が改正されているので、自分なりに現法に引き直して解答をつくりました)
今年の出題は、
訴訟物:賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物明渡請求権
請求原因①契約期間の終了による契約解除
請求原因②無断転貸による契約解除
抗弁①  解除理由が不当である事実
抗弁②  転貸に対する承諾があった事実
抗弁②’  転貸が背信的ではない事実
再抗弁②’ 転貸が背信的である事実
→ 以上ここまで第3回、5回、16回等(相続)の複合問題
・建物の価額が250万円のとき、建物明渡請求訴訟の訴額は125万円となること。
→ 訴額の計算方法は訴状を作成する講義で習います。価額の2分の1になることは記憶にも残ります。
・占有移転禁止の仮処分。
→ 第16回等。頻出。被保全権利はどのように解答すれば良いか分からなかった。
・民事保全手続きでは疎明は即時にできるものに限られ、文書送付の嘱託はダメ。
→ どちらかというと司法書士試験の知識?
・即時取得の要件事実
→ 第6回。善意・無過失の主張が不要な理由まで問われたのは初めて。
・裁判所職権で証人尋問はできない。弁論主義。
→ 基本。司法書士試験でも出そう。
・簡裁訴訟代理等関係業務は正当な理由なくして依頼を拒むことができる。
→ 基本。
・相手方の協議を受け賛助した事件の相談業務は受任できない。
→ 超頻出。
でしたが、上記の通り、ほとんどが過去問既出か、基本問題です。