戸籍謄本を読む

相続登記の依頼を受けたら、戸籍謄本、除籍謄本等を集めることが必要になります。
新人研修や配属研修でも、戸籍謄本等の集め方や読み方を習いますが、実際に自分の責任で依頼を受けて初めて、本当に真剣に取り組めます。(取り組まざるを得ません)
今までに感じたこと、気づいたことを書きます。

戸籍の期間を読み取ることが最も大事

被相続人の戸籍・除籍謄本は、現在のものから出生時のものまで順に遡って集めていくことが必要です。
順に入手する戸籍・除籍謄本が、いつからいつまでのものであるかを正確に読み取り、意識することが、まず大前提条件になる、と思いました。

現行戸籍(コンピューター化された戸籍)

平成6年法務省令により、平成23年10月29日に調製されました。
平成23年10月29日~現在までの戸籍です。
→ 平成23年10月29日以前の改製原戸籍を取り寄せます。(通常は同一市役所であれば同時入手も可能です)

コンピューター化前の改製原戸籍

婚姻により、昭和53年11月25日にこの戸籍が生まれ、平成6年法務省令による改製(コンピューター化)によって、平成18年12月23日にこの戸籍は消除されています。
昭和53年11月25日~平成18年12月23日までの戸籍です。
→ 昭和53年11月25日以前の婚姻前の、親が筆頭者の戸籍を取り寄せます。

昭和32年法務省令による改製原戸籍(大正4年式戸籍)

旧民法時代の戸籍です。→ 戸主制度、家督相続制度。
初心者(私)はこれの読み取りで、つっかえます。

①戸籍の始期がわかりにくい
この時代の戸籍は、事項欄に婚姻、家督相続などの身分事項も混載されるので、注意深く読まないと、この戸籍がいつ調製されたものか分かりにくいです。
上記の場合、昭和14年10月15日にこの地に転籍してきたときに、この戸籍が調製されたものです。(本来はどこから来たのか転出元の記載もあります)

②簡易改製の記載があって、消除日がいつであるか迷う
「昭和33年4月1日本戸籍改製」とありますが、これは簡易改製(説明すると長くなります)であって、実際に改製されたわけではありません。
その次の昭和34年8月22日に消除となったものです。

昭和14年10月15日~昭和34年8月22日までの戸籍です。
→ 昭和14年10月15日以前の戸籍を、転出元の市役所から取り寄せます。

相続実務に役立つ“戸籍"の読み方・調べ方【第二次改訂版】

配属研修の折りに、戸籍の読み方の本を3冊くらい購入しましたが、上記の本が1番、必要なことが網羅されているように思いました。