株式会社設立の最初の資本金は誰に振り込む?

資本金は「発起人の口座」に振り込むのが原則

株式会社設立時には、まだ会社そのものは成立していませんので、会社名義の口座は当然に作ることができません。
よって、発起人たちは、発起人の代表者の口座に資本金(各々の出資金)を振り込むことになります。
設立登記申請では、その出資金が振り込まれたことを証する書面として、設立時代表取締役名義で証明書を作成し、
・通帳の表紙
・通帳の名義・口座情報記載のページ
・振込記録のページ
の写しを合綴して提出します。

発起人=代表取締役=個人の場合

私のような街の司法書士が扱う株式会社設立登記申請は、ほとんどがこれで、シンプルです。
発起人:Aさん
代表取締役:Aさん
なので、Aさんの口座に、Aさん自らが振り込めば、OKです。

発起人=法人、代表取締役=個人の場合

先日、私も間違え、登記所から補正の電話を頂きました。。。
発起人:株式会社X
代表取締役:Aさん(株式会社Xの代表取締役でもある)
このとき、払込みがあったことの証明書は、設立時代表取締役Aさん名義で作成することもあって、
「代表取締役になるAさんの口座に、株式会社Xから、振り込んで下さい」
とAさんに依頼してしまいがちです。(私だけだったら恥ずかしい)

振り込むべきは「発起人(法人)の口座」

正解は、株式会社Xの口座に、株式会社Xが振り込むです。
発起人の口座に、発起人が振り込みます。

間違えた場合の補正方法(救済方法があるのでご安心を)

登記所から電話があったとき、「うわあ、Aさんに再度の振込みのお願いをするのか」と真っ青になりましたが、救済策があります。
→ 発起人(株式会社X)から、代表取締役Aさんに、「振込金の受領権限の委任状」を発行してもらえば良いです。
(登記所のご担当者もアドバイスしてくれます)
→ なお、上記委任状は記名だけで押印もいらないので、Aさんのお手を煩わすことなく、司法書士が自分で作成することができます。

→ 代表取締役の口座で受領した振込みが有効となります。

結論:会社設立は発起人が主役で、設立時取締役の権限はあまりない

司法書士試験の受験勉強でも、しつこく学ぶように、設立時取締役の権限は、設立時調査などに限定されます。
資本金の額、発行する株式の内容・数、事業の目的、本店の所在場所、設立時役員の選任など、ほとんど全てを発起人が決定します。
そういう意味で、「株式会社は、代表取締役が作っているのではなく、発起人が作っている」ことをあらためて思い知らされる出来事でした。