令和6年度行政書士試験を解いてみました(会社法編)

行政書士試験勉強は行政法を中心に

商法・会社法択一式も、民法択一式と同様に、5割の得点を目指しましょう。
私は平成22年度行政書士試験合格です。問題の傾向、難易度は若干変わっているとは思いますが、その当時から行政法で8割くらい得点して、その他の科目は5~6割を何とか確保するのが、行政書士試験対策の王道?のような気がします。
思い出すと、その当時、民法は根抵当権などは全く理解しておらず、会社法もずいぶんあやしかったですが、行政法となぜか一般知識(というか国語の問題)の得点で受かったようなものです。その分、民法・会社法をがっつり理解しなければいけない司法書士試験では苦労しましたが。

合格点方式の弊害?

民法、会社法(択一式)の問題を見ると、基本を理解しているかを問うよりも、細かい知識を知っていますか?を問うクイズ(あてもの)になってしまっているものが多いと思います。
行政書士試験の合否判定が、合格点方式となっているため、合格者数(難易度)調整のために細かい難問も配置しなければならない弊害のような気がします。
引っ掛け問題も多いし、マイナー項目の細かい知識を問う問題も多い!
だから、行政法の勉強に力をいれましょう、ということになってしまいます。
ただし、民法の記述式は、今年を除いて、基本条文、超重要判例を問う問題が多く、配点も高いので、力を入れましょう!

各問題について

1 ○(商536条1項)
2 ✖(商537条、自己の氏名等を営業者の商号中に用いることを許諾した場合等に、それ以降、責任を負います)
3 ○(商538条)
4 ○(商539条)
5 ○(商541条)
→ 匿名組合は司法書士試験でも数年前に出題がありました。条文に書いてあることしか出題されませんので、商号、商業使用人、代理商、交互計算、匿名組合、仲立営業、問屋営業などの条文全体を、学習機会の都度に何度も、眺めることが一番良い勉強方法であると思いますが、行政書士試験では、上記のとおり、コスパは悪いかもしれません。

ア ✖(完全無議決権の種類株式はあります。その分配当を大きくしたりします。)
イ ○(基本です)
ウ ✖(株主総会は大株主優先です。出資の多い者が力を持つのが当然です。取締役会では代表取締役の解任決議に本人は加わることはできません。)
エ ✖(監査役の解任は、特別決議(2/3以上)です)
オ ○(総株主の同意とはそういうことですが、ちょっと細かいです)
→ 基本を問う良い問題と思います。イの○、エの✖で判断します。

1 ○(基本です)
2 ○(少し細かいです)
3 ○(少し細かいです)
4 ✖(会361条3項、「多数決」ではなく「協議」です、細かすぎます)
5 ○(少し細かいです)
→ 監査等委員会設置会社の取締役の報酬に関する条文(会361条)をどれだけ知っていますか?という問題です。ここまでくると「あてものクイズ」になりそうです。

1 ✖(合同会社でもOKです)
2 ✖(子会社の全部の株式を取得し、完全親会社・完全子会社の関係になることを株式交換といいます)
3 ○(対価はなんでも良いですし、対価なしもOKです)
4 ✖(ある手続きに反対の株主は、原則として、株式買取請求ができることになっています)
5 ✖(社債債権者の請求書の宛先が、子会社→親会社に変わってしまうので、異議を申し立てることができます。親会社の方が経営があやしいこともよくあります。)
→ 株式交換に関する問題としては基本問題です。ただし、行政書士試験勉強で組織再編に力を入れるのはコスパが悪いかもしれません。

1 ✖(招集・決議方法の瑕疵等→取消請求、法令違反→無効確認の裁判です。基本と言えば基本です)
2 ○(基本ではあります)
3 ○(基本ではあります)
4 ○(基本ではあります。公開会社では6か月前からの株主であることが行使の条件になる制度が多いです。)
5 ○(基本ではあります)
→ 1だけを知っていて、✖と判断したいです。