司法書士試験過去問分析(2)会社法1)会社種類による組織再編の可否

今回は、小ネタです。
会社法、商業登記法において、吸収合併や株式交換など、いわゆる組織再編の分野を苦手に感じられる方も多いと思います。
まずは、今回取り上げる過去問(選択肢)に、(考えないで)即答できるようになり、そのような項目が増えていくことで、どんどん合格レベルに近づいていったように思います。

自らの経験では、つぎのよう感覚です。今回の過去問に対して..
Aレベル:(考えないで)即答できるようになる → 合格レベル
Bレベル:制度概要を思い出し、正解を導ける(所要時間30秒) → 基準点クリアレベル
Cレベル:間違える → 基準点に到達しないレベル

オートマの山本先生が、「記述式において、ひな形を思い出して書くレベルでは合格は覚束なく、無意識でも手が動くレベルでなければならない」という主旨で「素振り」を推奨されていたのを思い出しますが(今もでしょうか?)、択一式においても、考えないで判断できる選択肢が増えていかないと、なかなか合格レベルにいきません。(特に午後の部)
もちろん、いったん合格してしまって、司法書士になった後は、Bレベルを維持すれば十分です!

今回のポイント(組織再編)

合併 → 全ての会社ができる
株式交換 → 株式会社のみ、親会社は株式会社又は合同会社
株式移転 → 株式会社のみ
株式交付 → 株式会社のみ
会社分割 → 株式会社と合同会社のみ、承継・設立会社は全ての会社

過去問での出題例

令和5年度 会社法 第34問
ア 株式会社を吸収合併存続会社とし、合名会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併は、することができない。
→ ✖

令和5年度 商登法 第33問
イ 株式交付による変更の登記の申請書に、合同会社を株式交付親会社とし、株式会社を株式交付子会社とする株式交付計画書を添付して、株式交付による変更の登記を申請することができる。
→ ✖

令和2年度 会社法 第34問
ア 株式会社は、合資会社を吸収分割承継会社とする吸収分割をすることができる。
→ 〇

平成28年度 会社法 第33問
オ 合名会社及び合資会社は、新設分割をすることができません。なお、新設分割により合名会社又は合資会社を設立することはできます。
→ 〇

平成27年度 会社法 第34問
オ 株式交換完全子会社は、株式会社に限られますが、株式交換完全親会社は、株式会社のほか、合名会社、合資会社又は合同会社もなることができます。
→ ✖

平成18年度 会社法 第29問
ウ 株式会社と株式会社とが新設合併をして、合名会社を設立することができる。
→ 〇