改正民法のポイント整理① 多数当事者債権・債務での絶対効

山本浩司先生のオートマプレミアで改正民法を勉強しています。
オートマプレミアは、私のような独学者にとっても大変わかりやすく記述されていますが、表などを使ってのポイント整理の記載は少ないです。
そこで、余白に自分で簡単なまとめをメモしていく読み方が大変有効だと思います。
(私の受験勉強方法は、オートマ過去問などで間違えた点なども、とにかく何でもオートマプレミアに書き込んで、何度も読むことでした。)

今日読んだ「多数当事者債権・債務での絶対効」について、ポイントをまとめてみます。
(ほとんど自分の整理のためですね)

1.連帯債権(債権者A、B:各々分与利益あり→可分債権→債務者C)

・免除の絶対効:AがCに免除した場合、BはAの持分をCに請求することはできない。
・更改の絶対効:AとCが更改した場合、BはAの持分をCに請求することはできない。
※上記いずれもBは自分の持分はCに請求することができます。
・相殺の絶対効:AとCが相殺した場合、Bの債権も消滅。A→Bに分与利益分を分与すべき。
・混同の絶対効:A→Cと混同した場合、Bの債権も消滅。C→Bに分与利益分を分与すべき。

2.連帯債務(債権者A→可分債権→債務者B、C:各々負担部分あり)

・相対効の原則
 /Bの債務が無効であっても、Cの債務に影響なし。
 /Bが債務を承認しても、Cの債務の消滅時効は更新しない。
 /A→B請求しても、Cの債務の消滅時効は更新しない。(旧民法から変わった!)
・更改の絶対効:AとBが更改した場合、Cの債務も消滅。BはCに求償可能。
・相殺の絶対効:AとBが相殺した場合、Cの債務も消滅。BはCに求償可能。
・混同の絶対効:A→Bに混同した場合、Cの債務も消滅。BはCに求償可能。

3.不可分債務(債権者A→不可分債権→債務者B、C)

連帯債務と同様(相対効の原則、更改・相殺の絶対効)でOK。
ただし、混同の絶対効適用なし。:A→Bに混同しても、Cの債務はそのまま残る。
共同賃借人の家賃債務を想定すれば、BがAを相続しても、CはBに家賃を払うべき、ということだから、何となく理解できそう。

その他、改正点も踏まえた注意点をまとめると、次の通りです。

・連帯債務において請求は相対効へ(前記)
・連帯債務において免除は相対効へ
(連帯債権の分与されるべき利益については絶対効であることに注意)
・免除された連帯債務者に他の債務者が求償できる。
・連帯債務において時効の完成は相対効へ

昨年受験した民法とは大きく変わっていますが、改正内容にあまりとらわれすぎず、良い意味で旧民法は忘れて、すっきりとした新民法の規定をストレートに頭に入れた方が良いように思います。