遺産分割協議があったことの証明書

1.具体例

つぎのような家族での相続を考えます。

被相続人A(平成20年死亡)
妻B(平成25年死亡)
長男C(平成30年死亡)
二男D(現在生存、依頼人)
※Cには、奥さんもお子さんもいない

A名義の甲不動産を相続登記で、D名義としたい(よくあるケース)

2.長男Cが生きていたら

Aの相続人である、B(の相続人CとD)、C、Dで遺産分割協議をすればよく、結論として、CとDで、「甲不動産はDが相続する」との遺産分割協議書を提供すれば良い。

登記の目的 所有権移転
原因と日付 平成20年〇月〇日相続
相続人(被相続人A)D

3.長男Cが死亡している場合(原則では)

原則としては、一人遺産分割協議はダメだとされているので、3件の法定相続を忠実に再現することになります。(3件連件申請)
→ ただし、登記所を含めて誰も推奨しない、(と私は思います)

(1件目)
登記の目的 所有権移転
原因と日付 平成20年〇月〇日相続
相続人(被相続人A)
持分4分の2 亡B
  4分の1 亡C
  4分の1 D

(2件目)
登記の目的 B持分全部移転
原因と日付 平成25年〇月〇日相続
相続人(被相続人B)
持分4分の1 亡C
  4分の1 D

(3件目)
登記の目的 C持分全部移転
原因と日付 平成30年〇月〇日相続
相続人(被相続人C)持分4分の2 D

4.Dが「B、C、Dで遺産分割協議をしたこと」を証明すれば良い!

「A死亡時に、相続人B、C、Dは協議をして、甲不動産はDが相続することにした」ことをDが証明すれば良いです。
その証明書を登記原因証明情報の一部として提供します。
(Dの実印を押印し、印鑑証明書も併せて提供します。)

登記の目的 所有権移転
原因と日付 平成20年〇月〇日相続
相続人(被相続人A)D

の1件の登記申請で良いです。

5.まとめ

原則としては、「実際にB、C、Dでそのような協議(話し合い)をしたことがあること」が必要なルールです。
一方で、BとCの全ての権利が、D一人に収れんしているので、Dがその証明書を作ることに対し、異議を唱える人がいるはずもありません。
ばか正直に、3件の連件申請をするよりは、証明書を作成して1件のすっきりとした登記申請をすべきだと思います。(私の意見です)
もちろん、Cに奥さんやお子さんがいるときは、その奥さんやお子さんも相続人として協議に加わることになりますので、今回の方法は使えないことに注意して下さい。
以前のブログ「相続登記で一人遺産分割協議は認められるか?」も参考にしてください。
→ 相続登記で「一人遺産分割協議」は認められるか? | よねや司法書士事務所・行政書士事務所