司法書士業務、行政書士業務、どっち?
登記申請に必要な遺産分割協議書作成-司法書士法第3条により司法書士業務
一般としての遺産分割協議書作成-行政書士法第1条の2により行政書士業務
(いずれも、相続人全員の合意の内容で文書を作成する業務であって、紛争性があれば弁護士だけの業務)
登記申請に関係のない遺産分割協議書作成は行政書士の仕事であり、司法書士は作成できない?
ということをずいぶん前に聞いた記憶があって、開業後も最近までどうなのかな?とよく分からない状態でした。
(行政書士資格を目指して勉強し始めたのが、平成18年頃なので、相当古い記憶かもしれません)
株主総会議事録作成での似たような話
目的変更などを決定する株議作成 -登記を要し、登記申請に必要な書類なので司法書士業務
役員の任期を変更をする株議作成 -登記を要しない場合、司法書士は作成できない?
→ 自分は、司法書士・行政書士なのだから、悩む必要はない!と言い聞かせておりました。
現在では「上記書類を司法書士は作成できない」という話は聞かない
自分は悩む必要はないとはいっても、結構気にはなっていて、司法書士の研修、行政書士の研修、ネットなどでも折りに触れて調べ、考えておりました。
いまのところの理解としては、つぎの通りです。
司法書士法施行規則31条(→私の注記:法29条ですべての司法書士が行うことができるものとして法務省令に定める業務)
1 他人の事業の経営、財産の管理もしくは処分を行う業務、および、その代理、補助業務(略記)
2~4 省略
5 法3条1項1号から5号までおよび前各号に掲げる業務に附帯し、又は密接に関連する業務(略記)
によって、司法書士業務が拡大(解釈も含め)されていることにより、相続に関する書類であったり、会社関係書類は、登記の有無にかかわらず、司法書士業務として認められている、と考えてよいのではないかと思っています。
司法書士報酬には源泉所得税が課せられ、行政書士報酬には課せられない
話題は変わりますが、司法書士業務でもあり、行政書士業務でもある場合、報酬をどちらの立場で受け取るかで上記の違いがあります。
お客さんが法人の場合、行政書士として請求書・領収書を発行した方が、自分の取り分は増え、お客さんの手間も減るように思ってしまいますが、皆さんはどうしているのでしょうか?
合格同期のかたにも、司法書士・行政書士がいますので、今度聞いてみたいと思います。